君たちはどう生きるか ヤッパおかしい

こんにちは。アタイ、映画好きの馬鹿です。

コノ映画、難しくッてサッパリ分かりませんデシタ。

何でも、メタファーとかが解ると、スラスラ判るッテ言いヤスが、

「メタファーって何?ソレ喰えるの?美味しいの?」ッテなレベルですカラ、話に成りヤセン。

何せ、由緒正しき馬鹿ですカラ、デヘへッ。

でもネ、こんな馬鹿なアタイから見ても、こりゃオカシイやッテ所が結構有りヤスょ。

3つ、上げヤス。

(その1) 田舎の小学校のガキども、じゃあ無い、男子生徒諸君の人相が、揃いも揃って根性悪の、ロクでナシ過ぎ。

ステテコタイプって言いヤスが、アレッ?チョッと違うカナ?アッ、ステレオタイプだッ!

雑キャラ過ぎヤスょ。

アノネ、子供の世界も大人の世界が反映するノでヤショ?

主人公の坊ッチャマの父上は、戦争特需で沸き立つ新工場を地元にモタらした、ッテ事は、

小さな町の小学校の生徒の中には、その工場で働いたり、稼いでいる家庭が、結構有るッテ事でショ?

まして坊ッちゃまの母君や、その後妻に入った妹君の実家は、維新前より続く大豪邸を構える

地元の名家でヤショ?ッテ事はコチラにも多種多様な奉公、稼ぎ場面が開かれているのでヤショ?

つまり、坊ッちゃまの父上、母君のいずれかで、生活の糧を得ている家庭が町や村には可成り有り、同級生にも結構居るハズって事ッす。

自分の弁当の一品が、坊ッちゃまの御家庭からの稼ぎ分と知れば、その生徒さんの坊ッちゃまに対する目つき態度は、当然、変わるンでヤンス。

大人の事情が、子供に反映するノでヤス。

コノ映画だと、同級生の『事情』には一切触れてオリやセン。

ケドね、大事な『事情』が、もう一つ有りヤス。

戦争の『徴兵』の事でヤスょ。

(『先の戦争』の時、『赤紙』と呼ばれた赤色の『徴兵通知葉書』が届いた者は、家業を捨て、嫌でも日本軍の兵士と成りヤシタ。アタイ、学校で習いヤシタ。)

同級生の中には、父親が徴兵されテル者も、多いハズっす。

その父ちゃんは、中国や東南アジア諸国の戦場の渦中で、月日が経つに連れ、物資が乏しく成って行く中、日本に残して来た子供(同級生)や妻の為に、日々を必死に生き抜いている—-。

しかし、ソレも虚しく、既に、震える手で戦死の公報(コレも葉書1枚)を受けた家族もいるハズっす。

父親が戦地に立ち、或いは戦死した同級生が、戦争で稼ぎマクり、徴兵とは恐らく無縁(実際、映画では召集された形跡は無い)の父の息子で有る『坊ッちゃま』を見る目つきは、『根性悪のロクで無し』とは全く別物とアタイは思うンでヤスょ。

ココで、人類補完計画、ンッ?又、違っチャッた?

同級生の事情補完計画ッス。

コンな同級生◎◎は如何でヤショー?

眞人は同級生の◎◎が苦手だった。

同級生の内には、妬みを通り越して、公然と恨みや敵意を向けて来る者もいる。

しかし、ソンな者はドウでも良かった。

しかし、◎◎は違った。

◎◎は、多くの農家と同様、豊かとは程遠い、自分の農地を持たない小作人の息子だった。

戦争が始まって1年経たぬ内に、◎◎の父は徴兵され、戦地からの手紙で、今はビルマという地で戦っていると言う。

手紙は◎◎宛も有った。

『—-母さんの事、妹、弟の事、くれぐれも、宜しく頼む—-。』

『—-上の学校には、行かせてヤレそうに無い。父ちゃんを許してくれ—-。』

初めの頃は、威勢の良かった手紙は、次第に空元気と成り、最後に届いた手紙は、泣き言に落ちカケていた。

学校の事はドウでも良かった。教科書は、一度眼を通せば充分だった。

◎◎には、学校など、つまらなカッタ。

問題は、家の事だ。

父親は遥か海の彼方の戦地で命を削っている。

無事に帰って来れれば良いが、戦争である。命の保証など無い。

辛いが、父ちゃんが戦死する事を考えて置かネバならない。

現実に、同級の◯△の父ちゃんは、先月に、戦死した。

戦死は、『公報』と呼ばれた『葉書1枚』が、残された家族に届くダケだった。

◯△も、その母ちゃんも、葉書を前に、人目も憚らず泣いてバカリいた。

『戦死』は『名誉の事』とされていた。

◎◎は、ダメだと思った。

立派な事だから胸を張るベキなのに、『泣く』などダメなのか?

ソウでは無い!

人前で泣く事は、逆に、偉い事だ。

戦争が、いつの間にか始まって以来、まだ子供の◎◎に取って、怖く成った大人が増えて来た。以前より目尻が吊り上がり、静かに話すとは程遠く、怒鳴る様に物を言うノで有る。ソレも、ドウ見ても自分より弱い立場の人に対してだった。

◎◎の顔見知りだった近所の叔父さんも、ソノ中に混じっていた。

一歩、間違えれば、◯△も、その母ちゃんも、怖い大人達に吊しあげを喰らうカモ知れ無かった。

戸を閉めて、家の中で、幾らでも泣けば済むノダ。

だから、誰が前に居ようと、憚らずに泣くノには、ある意味勇気が要るノであった—-。

では、何がダメなのか?

大黒柱が倒れる時、何も手を打たねば、家は崩れる。

泣いてバカリいてはダメだ。

◎◎は今、必死に考え、行動に打って出ようとシテいた。

まだ子供の◎◎を、ソコまで駆り立るには、理由が有った。

思いがけず、◎◎の母ちゃんが忍んで泣いてイルのに気付いたから—-。

◯△の父ちゃんの戦死公報が届いて、10日余り過ぎた頃の事だ。

その日ノ夜半、◎◎はトイレに起きようとシタ。

尿意で目が醒めたノでは無い。

かぼ細い、途切れ途切れの、押し殺した泣き声で、目が醒めたノだッた。

妹達は、寝息を立てていた。

(—-母ちゃん—-。)

電気など無い部屋は真っ暗である。

その闇の底に、母のか細い泣き声が閑かに響いている—-。

◎◎には、母の姿は手に取る様に解った。

子供達に悟られ無い様に、陽に焼けた肩を震わせて忍び泣いている事も—-。

その荒れ放題の手には、田畑で辛い仕事をする時にも御守りの様に肌身離さず、懐深くに忍ばせていた、父ちゃんからの読み古した最後の手紙が握り締めラレている事も—-。

戦地からの手紙が途絶えて、三ヶ月を超えた。

始めの頃は、郵便屋の自転車を心待ちシテいたノが、今は、避ける様に成っている。

手紙が葉書に変わって終(しま)わないか—-。

母ちゃんは、近頃、夢中で働いている。

疲れれば、夜、考えずに眠れるカラだった。

真っ暗な闇の天井を見詰める眼が、潤み始めた。

◎◎は、たまらず、寝ぼけた振りをシテ、便所の置かれた家の外に出たノだった。

木戸を一歩出た途端、大きく拡がる夜空は、拍子抜けする程、美しかった—-。

天の川銀河が夜空を横切り、無数の星々が閑かに瞬いている—-。

その中空に、やや欠けた円い月が穏やかに輝き、地上の闇を払い月影を落としていた。

そして、分け隔て無く◎◎の躰にも閑かに光を当てるノだった。

『アノお月様は、ビルマで戦っている父ちゃんも照らしているノだろうか?』

激しかった心の痛みが、安らいで行った—-。

そして、月の光の中で、心に誓った。

『母ちゃんを泣かせ無い為ダッタら、コレからオラは何でもスルっ!』

『父ちゃんがビルマで戦ってイルなら、オラは、ココで戦うッ!』

『敵の弾を喰らう覚悟で、死ぬ気でヤルっ!』

『コレは、オラの戦争だッ!』

◎◎は、考えていた。

戦をするノに、やたら正面から突撃しても無駄死にスルダケだ。

作戦を立てネバならない。

自分のもつ力と必要な力、そして用意出来る力を、秤に掛けて行かネバならない。

遊んでいる暇が、ゼロに成った。

ソンな時、戦争で稼ぎマクっていると噂の、軍事工場主の息子が、東京から転校して来た。

何でも、母親は、地元の◯◯御殿の姫君と聞いていた。

『暮らし向き』は、水と油の差が有るが、『人と成り』はドウなのか、◎◎は興味が有った。

転校の初日、先生から紹介を受け教壇の横に直立している眞人を視て、◎◎はドウでも良いと思った。ただの小奇麗な坊ッちゃまダッタ。

しかし、眞人の方は違った。

それと無く、教室内を一瞥した時、合いも変わらず、妬みや敵意むき出しの視線を感じたが、その中に独りだけ異質な生徒が居た。

◎◎だッ!

視線が合ったのは、ほぼ一瞬ダッタが、眞人は、思わずタジロいでシマッた。

その視線には、感情が全く無かった。何事も隠しオオセ様の無い、透き通った強い光を浴びている様だった。

本能としての『怖れ』が躰の芯から湧き上がり、心が震えた。

そして、事件は起きた。

学校からの帰り道、眞人は、土手の雑草を肥料用に刈り取っている同級生達と出くわした。

父親が戦死した◯△と大の仲良しの◯◎が、直ぐに突っ掛かって来た。

「お坊ちゃまニャー、草刈り鎌など、お使いアソバシませんダッペ!」(方言メチャクチャです)

眞人が無視して通り抜け様とすると、その背中に追い打ちの言葉を浴びせた。

「◯△の父ちゃんは戦争で命を奪われ、誰かの父ちゃんは戦争で大儲けダッペよ。世の中、上手く渡らネェとヨー—-。」

言葉が終わらぬ内に、眞人は踵を返して◯◎に跳びかかってイタ。

しかし、簡単に地面に組み伏せられ身動きが取れぬママ罵詈雑言を浴びせられた。

「ドウしたッ!お前なんざ弱過ぎて殴る値打ちもネェーんだヨーッ!」

そして、口の中に貯めた唾を、眞人の歪む顔に吐き捨て様とした時、◯◎の肩に触れて、ソレを制止した者が居た。

◎◎である。無言の会話に、◯◎は従ったノダ。

「チェっ、一つ貸しナッ。」◯◎は立ち上がると、道端に唾を吐き捨て、鎌を手に土手を降りて行った。

仰向けの姿で、今も息が荒れてイル眞人の傍らに、◎◎がスーッと立っていた。

片手には鎌を、残す手には草紐で強く締められた一抱え程の草束を軽々と抱えていた。

◎◎が眞人を見下ろす姿に成っていた。

眞人は眼を閉じ、息を整え様としてイタが、ハッとして眼を見開いた!

信じ難い視線で、眞人は見下ろされてイタのだ!

眞人は、『人』として、ソコに居なかった。

眞人は、悟った。

◎◎に取って眞人は、頭の左右に転がっている道端の小石と等価である事を。

◎◎は、何事も無かった様に、片手の草束を集積場に降ろすと、無言で土手の下に消えて行った。 

眞人は、夢中で立ち上がると、泥土で汚れた服を払いもせず、その場から走って逃げた。

逃げて逃げて逃げ、走り走り走った。

疲れ切って、足を止め辺りを見回すと、人影は無かった。

眞人は、道端に転がる大き目な石を掴むと、突然コメカミに打ち付けた。

力任せに、二度三度と—-。

遂に皮膚が破れ血が噴き出し、右眼を真っ赤に染めて頬を伝い口の中に流れ込んだ。

血の濃い味がした。

眞人は虚ろに笑い出した。

『ハッハッハッ、見ろ!血だッ!どうだッ!僕は人だッ!石なんかジャ無いッ!』

剥き出された歯は、血で真っ赤に染まっていた。

エーっ、映画とは少々、趣きが変わりヤシタが、仕方御座んセン。

で、映画での、コノ後の眞人の立ち振る舞いでヤスが、アタイは、本当、納得が行か無いのでヤスょ。

(オカシイ その2)

眞人の頭の傷は、仮に何針か縫う様なモノでも、単なる外傷でヤショ?

実際には、縫ってネェーでショ?

映画じゃ、ドバドバ派手に動脈切ったミテェな真っ赤な血が流れるンスが、アレ、動脈血だったラ、お家に着く前に失血死でヤショ?

って事は、静脈の毛細血管が切れた訳で、鼻血と同じでヤショ?

(もし◎◎だったラ、学校の医務室(もし、当時有ったら)で赤チン塗ってもらって、家に帰れば、直ぐに田畑で母ちゃんとキツい農作業をシテるハズっす。)

ベッドで安静にして寝ている必要が、ドコに有るンすかネェー?

アタイには、サッパリ解りヤセン。

まして、陰湿なイジメに遭った訳でもネェーのに、何日も学校ズル休みするナンザ、アタイの理解の限度を超えて—-って、

エッ、親方っ?どうしてココに居るノ?

「どうして、ココに居るノ?ッテ、何言ってヤンデェーッ!

与太、テメェの話は、デレデレ、まどろっこシーンだヨッ!

カカァの野郎が、『この前、与太が来てアノ映画ヤッパおかしい、とか言ってたケド、アンタ知ってる?また金魚の糞みたいに成っチャゥと大変だよッ!』ッテから、冷や汗かいてタラ、カカァの野郎、コウも言ったンだョ。

『ソノ映画、アタイも見たいカラ、一緒に行かない?アンタも見とキャ与太に四の五の言われても平気でしょ!』ッテから、オイラも付き合って、重宝シネマ行った訳ヨ。

そしたら、カカァの野郎、途中から可愛い顔してスースー寝やガッてヨー。映画終わったら、『アー、良く寝た、スッキリしたーッ!近頃のアニメって難しいンだネ。アタイ、馬鹿だからサッパリだったヨ。キャハハハっ。』って笑ッテお終メェよ。コチトラ、全部見とかネェーと話に成らネェーから、一生懸命、見終えたケドよー、主人公のガキ、じゃネェ、お坊ちゃまが、江戸っ子の風上にも置けネェー、ロクデナシと来やがったカラ頭に血が上っチマッて話に成らネェーや!

何だ?コノ野郎は!喧嘩に一回負けた位ェでテメエの頭、石でカチ割って、テェした怪我でもネェのに御大層にベッドで御安静遊ばしヤガッて、オイラ大工達ャー、あんな傷、唾付けて絆創膏貼っ付けて平気で仕事してラァ!いくらガキの話だってフザケてんジャネェぞ!第一ナァソレ以上に—-」

「アノネ、親方ネ、ココは、アタイのブログてかレビューなのネ。アタイがコレから言おうとシテる事、親方が横取りしてはイケません。」

「何が横取りダヨ、泥棒した見テェに言いヤガッて。俺ッチが何時、泥棒したっテンだヨッ!ブログの旦那ンとこ顔出しタラ、『ソノ映画、与太の野郎が丁度レビューしてるハズ』ってカラお前ェーんトコ来たら良い所だったンで話てるダケじゃネェーか。続きが有るンだから俺ッチに任しトキな!」

「そんな事言われテモ—-、アタイドウしようカナ—-?アッ、そうだッ!アノネ、親方ネ、アタイちょっと急な用足しデ外に出ます。後は宜しく御願いシヤス。」

「アイよ!気ぃ付けてナッ!って俺ッチの話、ドコ迄だっけ?アッ、ロクデナシの坊ッチャマの話だッ!次いで頭来たノはコノ野郎がベッドで『吸い吞み』を使うシーンだ!

『吸いのみ』ってノは、高熱で起きるのがヤットの病人が使う道具ダローがよー!何様のツモリだ、コノ野郎ーは!

ソンで、一番頭来たノは、親戚の爺様ン所で自分の頭ン傷を見せ付けて言いヤガッた事だッ!

野郎、コンな事言いヤガッた!

『コレは僕の悪意デス!』

何、ホザいテンだ、コノすっとこドッコイっ!

テメエの悪行を人前に曝サラす時ャァ、少しは恥入りヤガレってンだヨッ!

ソレを、まるで『選手宣誓』見テェに、正々堂々と宣(のたま)いヤガッて!

『お坊ッちゃま』には『羞恥心』ってノが『絶滅』したンで御座ンスか?ッてんデェー!

無神経にも程が有るッテもんダ!

ソレばっかジャ無ェーぞッ!

『僕は、コレから友達を作りマス!』だと?

フザケルのもイー加減にシロてんダヨッ!

テメエには、友達作る前に、まず先にヤルべき事が有るダローがよーッ!

テメエが喧嘩した『生徒さん』に、チャンと謝る事ジャ無ェーのかヨッ!

『御免なさい。僕が悪かった。嘘をつきました。』

素直に、顔、真っ赤にして詫びるダケの事ジャ無ェーか!

ソレだけが、濡れ衣を被っテルに違ぇネェ『生徒さん』の『心の血止め』に成る。

謝る気ナンザ、サラサラ無ェーんカヨ、この野郎!

ソレだけジャ無ェーぞ!

ガキがガキなら、爺イも爺イだッてんダッ!

ロクでも無ェー、デタラメ世界、創りヤガッて!

テメエの創ったノはナァ、『心柱の無ェ五重之塔』だッテンだヨッ!

観てクレは、荘厳でも、中身はスカスカの張りぼて、崩れるノは、アタボーだッテンだッ!

何ッ?アタボーが分かりません?

『当たり前だ、篦棒(べらぼう)め』ッテンだヨッ!

俺ッチは、大工デェー。

俺ッチ、大工はナァー、『重力』って化け物と何時だって格闘、真剣勝負してラァー!

チョットでも油断すリャー、建物は崩れて、中に居る人様が、大変な事に成ッチまう。

その点、漫画、アニメは良ィーよナァー!

百乗之塔ダローが、五百乗之塔ダローが、描いチマエば、建ち上がった事に成ッチまう。

気楽で結構で御座んすネェー!

コノ異世界、アッチコッチに木材が使われテル場面が出て来るダローがよー。

オイラ、大工デェ。木材ッちゃぁプロだ!

家の柱、梁、床、扉、階段、窓枠、テーブル、椅子、全て、木材デェー!

木材は木(樹木)、木は林、林は森だ!

早ェー話が、異世界に家が有るッテ事は、

異世界に大工が居て、森や林が有るッテ事だローがヨッ!

ところが、この異世界ニャー、大工や森林の、影も形も無ェーと来やがった!

別に、大工を画面に出せッテな野暮、言ってンじゃネェー。

『気配』だヨッ、『気配』ッ!

例えば、家の前の『道』が、小石で覆われてレバ、雨の泥濘(ぬかるみ)対策で、結構な人数で作業進めッテ事だし、土で固めたママの道でも、轍(ワダチ)が残ってイレば、その道には荷馬車が往来し、道の先には『街』が有る事が解らぁ。

『街』には大工も何処かに 混じってラァ!

ソンで、景色の遥か彼方に、霞む山々が見えレバ、雨水や雪解け水が川と成って流れ、森が、林が生まれ、平地の流域ニャー田畑が広がってイル事は、俺ッチ見テェーな馬鹿でも解るんだヨッ!

コレが、『気配』ッテもんダ!

この異世界ニャー、人や動植物の生きてる『気配』がホトンド無ェーてんダヨッ!

ジャぁ、死後の世界かッテたら、爺イは生きてるし、タバコ喫(の)みノ下品な婆アの若返ッタ野郎がシレッと生きてヤガラァ。(コノ野郎、タバコ1本の為なら平気で娘まで売り飛ばす様な顔してヤガッたノが、急にヒロイン顔して出て来ヤガッて、アノ強烈な下品さは、何処に消えチマッタてんダッ!オマケに、コノ野郎、異世界の事、主(ぬし)見テェーに何でも熟知してヤガル。ドコで覚えヤガッたテンダよっ!帆引き船まで器用に操りヤガらぁ。何でも有りダナッ!)

オマケに、坊チャマ野郎の母親が、娘(むすめ)っ子に成ってヤガッて、生意気にテメエの家迄、持ってイヤがる。呆れたモンだヨッ!

何処の死後の世界に、テメエの家持って普通に暮らしテル奴が居るンだヨッ!

あげくの果てに、コノ娘っ子の家がヒド過ぎラァ!

見りゃ判ッだろーガヨ!

火の魔女だか知らネェーが、生意気に家ニャー暖炉まで有りヤガル。

暖炉っチャー、石か煉瓦造りだ。ッテ事は、コノ家造るニャー、俺ッチ大工の他に、石屋や煉瓦職人が居て、コノ異世界ニャー石切場や煉瓦焼きの工房が有るッテ事デェー。

他にも、窓はガラスだし、カーテンや調度品は、ゴッチャリお揃いで御座んす。

で、ドア開けて、外に出ると御丁寧に畝(うね)の立った菜園が有りヤガル。

コリャ呆れるシカねぇ!

ウンザリ、ベッタリだッてんダヨ!

畑仕事、舐めてんジャ無ーェゾッ!

鍬(くわ)鋤(すき)振り上げ、振り下ろして、畑を耕して、畝こさえて、便所から手前ェの糞尿汲み取って、肥桶(こえおけ)担いで畑に撒いて、足り無きゃ、草刈って来て土混ぜて、捏(こ)ねて、まだ臭ぇ堆肥作って、畑に鋤込んで、病害虫と戦いナガラ作物を育てる。

コレが(当時の)リアルな菜園ってモンでェーっ!

お子ちゃまのお嬢様が、臭くて鼻が捩(もじ)れる糞尿汲み取って、ピチャピチャ跳(は)ねる肥桶担いで、大人でもズッシリ重い鍬を振り上げるッテか?

いい加減にシヤガレってんだヨッ!

ソレとも、気の弱そうなインコの親子攫(さら)って来て、子供インコを人質に取って、言う事、聞か無きゃ、子供インコを炎で炙(あぶ)って焼き鳥にして喰うゾッて脅して、作男にデモするッテか?

でも無きゃ、魔法のスティック、一振りで、家から調度品から菜園まで、御見事、完成で御座んすッテか?

上等だヨッ!ペラペラの薄っペラ。リアリティのカケラも有りゃシネェー!

デモなぁ、もっと頭ン来てる事が有るンでェーッ!

お子ちゃまの『御嬢様』と、ロクデナシの『お坊っちゃま』の食事のシーンだヨッ!

何だ、コリャ?!

手作りパンにチーズにジャムが食事?!

コノ異世界は、コノ家ダケは、食い物で溢れてイヤがラァ!

ケドよ、パン作るノに、まさか小麦粉や酵母(イースト)まで『手作り』ジャ無ェーだろーヨッ。

ッテ事は、コノ異世界の何処かカラ手に入れテルって訳だッ!

つまりヨーッ、コノ異世界の何処かニャー、小麦畑が有り、小麦を育てテル農家の人々、家族が暮らしてヤガって、自分で小麦粉に挽くか、専門の小麦粉屋が居るッテ事ッテェー。

チーズだってソーよ!

まさか手作りジャ有るメェよ。手作りの製法、コノ時代(大正?)に日本で解る訳がネェーッ!

ッテ事は、欧州あたりカラの輸入品ですカイ?ドンだけ贅沢してヤガんデェーッ!

ッテか、コノ異世界にゃ欧州に匹敵する異文化の国々が有るンかい?

ンでもって、輸入屋と流通販売屋が有るッテ事ッテェーッ!

コノ異世界、何も無ェー様で、トンでもネェ、出て来る、出て来る、何でも有りヤガル!

コレで驚いてチャ行けネェーぜ!

ロクデナシの『坊ちゃま』が宣(のたま)いヤガッたっ!

「先(せん)に母さんが作ってクレたノと同じ味だッ!」

ッテ事は、現実世界でも、パンにチーズにジャムを、お食べ遊ばしマシタってコッタ!

戦争の最中だか、戦争前だか知らネェーが、当時の日本人の食料事情をチョットでも考えたら、涙がチョチョびるッテもんダぜ!

戦争中、原則、食料は国の配給だぁナ。元々充分じゃネェー配給量が、足り無くなるノは目に見えてラァ!最後にゃー、芋の蔓、タンポポ、何でも喰ってンだッ!

何っ?米は何処行ったッテ?

何言ってヤガんデェーっ!

戦争何年も続いて、農家の主(あるじ)迄、徴兵に取られタラ、田んぼの面倒、誰が見るンでぇ!

田んぼ仕事、舐めてんジャ無ェーぞ!

田起こし、代掻き、田うない、女子供や年寄りジャ無理な作業が目白押しデェー。

年取れば腰が曲がっチマウ重労働が、(当時の)米造りッテ奴だ。

ソレを、働き盛りの旦那、兵隊に取られチマったら、米、半分も獲れれば良い方デェー!

まして、アジア中の海外に拡げチマッた戦線には、日本中から集められた数百万の兵隊さん達が戦ッテいらしてたンだヨッ!

コノ人達に、大量の米、海を超えて届けニャいけネェー。

悔しいケドよ、直ぐに制海権、取られチマッた海上で、米積んだ日本の輸送船は潜水艦の餌食だろーガヨ!日本に残された母ちゃんや子供達が必死に作った米は、海の藻屑デェー。

海外の戦場で必死に戦ってる、日本の兵隊さんの多くに満足な米、食料が届くハズがネェ。

だから、日本の兵隊さん達の戦死の多くが、『戦闘死』じゃネェ『戦病死』ナンでぇ!

餓えて、餓えて、餓えて、病で死んで行きなさったンじゃネェーか!

話てるダケで、俺ッチ、辛ェーンだヨッ、ふざけてんジャ無ェーぞ—-!

ところがナァ、戦争前は、もっとヒデェんだ。

東北地方中心に、寒い夏が数年も続いて、稲穂はスカスカで、ほとんど米が取れネェー。

最悪の凶作だ—-。

喰うや喰わず通り越して、ほとんど喰えネェ、喰える見込みが全くネェ—-。

実質上の餓死や、一家心中が起こり始まる—-。

そして、農家の娘さん達の身売り(娼婦への人身売買)が一気に拡がって行く。

1つの村だけで数十人単位で、身売りが行われたンだヨッ!

そりゃソーさ。

『隣村の◯◯は、子供達の首締めて楽にした後で、夫婦は首括った』、ッテな噂が耳にリャ、

他人事じゃネェ。明日は我が身に違いネェー人達が、ゴマンと実在したンだヨッ!

いくら親兄弟の命を繋(つな)ぐ為ッても、親に売られた娘さん達が、どんな想いで、揺れる夜汽車の暗いガラス窓を眺めていたノか。

今日、女衒(ぜげん、人買い)に娘を売った父親が、眠れぬ寝床でどんな想いで闇に包まれた天井を見詰めていたノか、コノ『お嬢様、お坊ちゃま』ニャー、金輪際、死ぬ迄、解リャーしネェーだろーガヨっ!

何が「先(せん)に母さんが作ってクレたノと同じ味だッ!」

ナメてンじゃネェーぞ、コノ野郎—-。

でも、ヤッパ一番、頭来るノは、爺イだっ!

コノ異世界はテメェーが創ったンじゃネェーんか?

一番、可哀想なのは、ペリカンだろーヨッ!

普通の世界で、穏やかに魚喰って不自由無く暮らしてたノに、爺イが問答無用で異世界に押し込みヤガッたっ!ソレも異世界の海だか湖だかニャ、喰える魚が居ネェーと来ヤガる。

仕方ネェーから、空に浮かび上がッテ来る『ワラワラ』ッテのを捕食してるッテーと、ロクデナシ『坊ちゃま』の母君のお子ちゃま時代のお嬢様、『火の魔女』が海上に現れ、問答無用で強烈な火炎放射でワラワラごとペリカン達を焼き殺してヤガル!

さぞかし気持ち良いーンだろーヨッ!

ココのペリカンは、人の言葉を話せるンだぜ!

火の魔女は、殺す前に、ペリカン達と先ず話し合いをしネェーのカヨ?!

ペリカン達の長老はコウ言うに違いネェーや!

『火の魔女様、お逢い戴き有り難う御座います。

コノ異世界を創られた方は、貴方の血縁に当たる大伯父様と伺い、お願いが有るノです。

我々の一族は『上の世界』で、代々、魚の採って不自由無く平和に暮らしてオリました。

ところが、ある日、一族全てが、コノ異世界に降り立っていたノで御座います。

元の世界に戻る事は、無理だと諦め、コノ異世界で生き抜く覚悟をしたのデスが、何処の水辺にも、我々の採れる魚が全く居ないのデス。

背に腹は変えられず、天に昇るワラワラ達を狩り、食べ、命を継ぐ他は有りマセンでした。

しかし、狩りの際、必ず貴方様が現れ、火球を打ち上げ、ワラワラ諸共、我々の一族を炎で炙り、結果、ある者は焼死し、ある者は眼を焼かれ視力を失い、ある者は地に落ちた衝撃で羽を折り飛べない鳥と化すので御座います。

イヤ、貴方様の事を咎(とが)め立てするツモリは無いノです。

貴方様には、貴方様なりノ事情が御座いマショウ。

唯々(ただただ)、我々一族の置かれてイル事情を知って戴き、大伯父様に御取り次ぎ戴きたいバカリなのです。

貴方様の放った火球の炎から無事に逃げ果(おお)せ、嘴の中のワラワラを我々の営巣地に届ける事が出来た者も少なからず居ります。

しかし、如何せん、一族全体の命を継ぐには、程遠い量です。

そこで、貴方様が火球を撃ち終え、その姿が去った事を確かめると、我々は、二番目の狩りを始めるノで御座います。

夜空高く放たれた真っ赤な火球に、我らペリカンやワラワラが焼き殺されて行く様は、地獄絵図に違い有りマセン。

しかし、本当の地獄絵図はコレから始まるノです。

二番目の狩り、ソレは火球に焼かれ、地に落ち、水辺に落ちた我らペリカンやワラワラを、狩る為に探す事から始まるノで御座います。

焼かれ落ちたペリカンの中には、嘴の内にワラワラを秘めている者がおるノです。

死後の硬直が起こる前に、そのペリカンを見つけ、出来る限り手早く、ワラワラを取り出さねば成りマセン。

また、そのペリカンの嘴が閉じてイルと、外からは開けられず、貴重なワラワラを諦める他、有りマセン。

ソレを防ぐ為、一番目の狩りに出る前、我らペリカンは仲間の命を継ぐ為に心に誓う事が有るノです。

ソレは、ワラワラを嘴の中に捕らえたが、無念にも炎に焼かれ地に落ち、命が消えんトする時、最期の力を振り絞り、僅かでも、嘴を開けずには決して息絶えぬ事を、誓うので御座います。

狩りの相手が、既に息の絶えたペリカンで有ッテも、ソレは何とも辛い仕業(しわざ)に違いは無いノです。

しかし、その相手が、まだ息の残るペリカンだった場合、ソレは本当の地獄絵図と化すので御座います。

炎に焼かれ、地に激突した衝撃で、翼は砕かれ、折れた骨が臓物を抉り、その痛みは息絶える間際まで続くと申しマス。触れるダケでも激痛が走るに違い無い相手に対し、否応無しに嘴を入れ込み、ワラワラを移し取って行くので御座います。

息が残っていると申しマシてもホトンドが虫の息で、激痛に暴れて抗する事など出来ようハズも無く、動けぬ躰で、繰り返される激痛に耐えるしか無いノで御座います。

救う事も、楽にしてヤル事も出来ず、唯々(ただただ)、瀕死のペリカンの嘴を開いて、ワラワラを移し取って行く仕業の際、ホトンドのペリカン達は黙して、涙を流してイルので御座います。

更に、瀕死のペリカンが見知った者の場合、ましてや、縁者の場合、その仕業の辛さは、もう言葉に成らぬノで御座います。(参照 お話の1)

涙と申せば、ワラワラにも触れて置かねば成りません。

如何に、我らペリカンの狩りの獲物と言えども、炎に焼かれ地に落ちたワラワラの姿は余りに酷く、とりわけ、まだ息の残る瀕死のソノ姿は正視に耐えマセン。

焼かれた眼の、上瞼(まぶた)、涙袋は腫れ塞がり、全身は赤く爛れて膨れ上がり、皮膚の一部は剥がれて厚い布切れの様に垂れ下がってイルノで御座います。

そして、途切れ途切れの荒い息を吐きナガラ、小さな躰を不規則に震わせてイルので御座います。

ご存じの通り、ワラワラは言葉を発しマセン。

しかし、ソノ酷い姿を目の当たりにすれば、ワラワラの、か細い声無き悲鳴が、誰でアレ、耳の底に焼き付くので御座います。

『—-痛いよぅ—-。』『—-熱いよぅ—-。』

出来る事なら、直ぐ楽にしてヤリたい。

しかし、我らペリカンに、その術(すべ)は無いノです。

何時しか、母ペリカンの中に、一旦、両の翼を大きく拡げ、続いて、打ち震える瀕死のワラワラの小さな躰を、翼内側の柔らかい羽毛でソッと包み込む姿を取る者が現れ始めたノで御座います。

羽毛に伝わる、ワラワラの小さな躰の震えは心做し(こころナシ)か次第に収まって行き、ソレでも荒い息は続くのデスが、その息が弱まり、絶える迄、母ペリカンはソノ姿を唯々(ただただ)ジッと保つノで御座います。

そして、最期の息を終えたノを確かめると、母ペリカンは翼を閉じ、露わと成ったワラワラの小さな骸(むくろ)をソッと嘴の中に収めると、一声大きく鳴き声を上げ、翼を拡げ羽ばたくと、月の照る夜空高く飛び去って行くノです。

今、ソノ姿は、雌、雄、老、若、を問わず、見られるノで御座います。

本来は、どんな姿で有れ、否応無しに、素早く効率的にワラワラを回収すべきナノでショウ。

しかし、我らペリカンは、ソコ迄、賢くは成れぬノです。

我らペリカンは、ソコ迄、心は強く無いノです。

愚か者は、そして、心の弱き者は、淘汰され滅び去る。

覚悟は致して居ります。

ただ、滅びノ前に、成すベキ事を成さネバ成りません。

ソレが、貴方の大伯父様に我らペリカン一族の願いを聞き届けて頂く事なノです。

難しい事では御座いマセン。

『我らペリカン一族を、否応無しにコノ異世界に移し住まわサレタ様に、

我らペリカン一族の食する事の出来る魚族を、コノ異世界の水辺、湖沼、河川、海に、同じ様に移し住まわサセテは戴けナイか。』との願いで御座います。

大伯父様にお目通りが無理ならば、せめて、貴方様から我らペリカン一族のコノ願いをお伝え頂けます様、伏してお願い申し上げます。

コノ老いさらばえた躰、炙ろうと、焼こうと、存分に成さって結構で御座います。

ですから、何卒、何卒、我らペリカン一族のコノ願い、取り計り戴きます様、重ねてお願い致します。』

言い終わると、老ペリカンは頭を地に擦(こす)る様に付け、その場を動こうとは、しなかった。

そして、火の魔女の返答を、微動だにせず、待ち続けるノだった。

(お話の1)

炎に焼かれ地上に落ちた瀕死の雌ペリカンの、激痛を喘(あえ)ぐ微かな声が、夜の闇に紛れて途切れ途切れに漂っている。

片方の翼と足は衝撃で折れて曲がり、瞬(またた)きを忘れた眼は、もう何も映(うつ)さ無い。

最期の力が振り絞られ、ワラワラを閉じ込めた嘴(くちばし)はユックリと開いて行った。

月明かりが、ソノ姿を閑かに包んでいた。

と、身近で羽ばたきノ音が起き、何者かが地に降り立った。

羽音は雄ペリカンのソレだった。

そして、羽を閉じ終えると、一歩一歩、近付いて来る。

その足音には、微かに覚えが有った。

地に伏せた嘴の傍(かたわら)で、足音は止まった。

微かな風が草を撫で、傍に立つ雄ペリカンの羽毛を閑かに揺すった。

瀕死の雌ペリカンは、ハッとする。

忘れるハズの無い匂いだった。

「—-貴方 なの—-?」

「アア、私だ—-。」

「—お願い しま す—-。」

「アア、決して、無駄にはシナイ—-。」

雄ペリカンは、瀕死のペリカンの嘴の中に自分の嘴をソッと差し込むと、まだ微かに動いているワラワラを静かに移し取って行った。

虚ろに成った半開きの嘴から漏れ出る喘ぎ声は、もう終わろうとシテいた。

その中で、最期の言葉を紡いだ。

「—- 有り 難う—- 。」

その時、瀕死のペリカンは、渇き切った下嘴の中に、温かい雫を感じた。そして再び、雫が—-。

その温かさは、逝こうとシテいる、折れ曲がり焼け焦げた雌ペリカンの躰を、優しく包むノだった。

最期の息が絶えたノを確かめると、雄ペリカンは、想いの全てを断ち切る様に、一際大きく羽ばたくと、月明かりを受け、夜空高く飛び去って行った。

で、火の魔女さんヨォー、トットと返答シヤガレってンだヨっ!

コチとら江戸っ子デェーっ!手前ェの答え、グダグダ待ってる暇ナンザ無ェーんダヨっ!

しかし、何たって、一番悪いノは、大伯父様とか言うアノ爺いだッ!

ペリカンの長老が言う見てェーに、魚、一緒に連れて来りゃ済んだ話ダローがヨォ!

言い逃れ出来無ェー、手抜かりジャねぇかっテンだッ!

だから、爺いの造った世界は、芯柱の無ェー、スカスカだっテンダよっ!

何オッ?

『ペリカンもインコもメタファー(暗喩)で、お解り頂けマセンか?』だとッ!

上等だヨッ!お解り頂けマセンで御座いますデスよっ!

俺ッチのカカアの野郎ナンザ、お解り頂く前に、ぐっすり、お休み頂いチマッてラァーッ!

ざまぁ見ヤガレってンだッ!

俺ッチも、カカアの野郎も、教養だの、溢れる知識だの、絵画芸術だの、トンと御縁が無くて遊ばしマシてイラッシャイますノで御座いますッテンダよっ!

何がメタファー(暗喩あんゆ)だ、

笑わせンじゃネェーやッ!

総入れ歯が外れチマッた爺いジャ有るメェーし、話が有るなら、ファーファー言ってネェーでハッキリ、スッキリ喋りヤガレってンだッ!

何オッ?

「『ハッキリ』言えば、ソレは、『メタファー』には成りません。ご理解下さい。」だとッ!

コレまた上等だヨっ!コノ映画はアニメだろーがヨォ!

アニメっちゃあ、本来、ガキの見るモンじゃネェーのかヨッ?!

俺ッチはアニメも映画も詳しくネェーが、カカアの野郎はアニメとか結構見てて、コノ映画もジブリとかのアニメ映画だからッテ、見るノ楽しみにシテたんジャねぇーか!

カカアの野郎が言うニャー、ジブリのアニメ映画ってノは、ガキ共が夢中に成って喜んデル他に、中ニャー大人も嵌(は)まって大ファンが居るッテ話じゃネェーか。

するッテーとヨーッ、コノ映画の公開の仕方、オカシくネェーか?

例えばコンな事ッテェー。

お子様ランチが大評判の食堂が、料理長の店主の高齢化でココ数年は店を閉じていた。

ところが、店主が心変わりして、店を開けると決まった。

常連客は上や下への大騒ぎで、オープンの日を待ち兼ねテル始末デェー。

で、いざオープンの日、期待に胸膨らまして店に入ると、コレ迄と様子が違う!

テーブルの上にはナプキンが立てられ、左右にナイフ、フォークが数本づつ既に置かれている。「イラッシャイませ!」の元気な掛け声の代わりに、ヒソヒソ話の様な小声で、

『特別オープンの為、店主のシェフの意向でフレンチコース料理の単一メニューと成ってオリマス。』との説明が有る。

俺ッチ見テェーな箸しか触った事の無ェー人種で、テーブルマナーもヘチマも無ェー野郎の中には、コノ時点で子連れでオロオロしチマウ優しいお方も居らっシャルだろーよッテンだ。

ソンな方が、蚊の鳴くような声で「お箸は使えマセンか?」ッテ尋ねると、薄笑い浮かべて「ご遠慮頂いてオリマス。」と来やがる。

上等な商売ダヨっ!

店先に以前と同じ『お子様ランチの暖簾(のれん)』下げてて、客、誘ってコレかよッ!

せめて入り口に大きく『当店は、今回、高級フレンチコース料理単一メニューです。』紙一枚貼っとキャ済む話だろーガヨーっ!

マッ、食堂だったら後払いダカラ、「帰りマス」。で席立チャお終ェーよ。

ケドよぅ、折角、電車乗り継いで、子連れで楽しみに食堂に来た客を、顔真っ赤にして帰らせるッチャ上等な商売だよナァ!

俺ッチなんざ心臓毛だらけダカラ、箸使えネェーんダッタラ、近くのコンビニ行って割り箸一束買ってきて、箸、欲しがってる客に、「粗品で御座んす。」ッテお配りスラァ。

店員だか、スタッフだかが、文句言うダローよ。

「お客様、箸を配るなど、勝手な事をされタラ、お店が迷惑致します。お止め下さい。」

何を仰るスタッフ様、

「お店様が、箸を配ら無いなど、勝手な事をされるカラ、お客様が迷惑しているノです。お止め致しマセン。アタボウでぇ!」

ケドよぅ、映画だと一旦入っチマウと、10分で即退場でも、払い戻しはゼロ。

まして、予告篇もゼロだから、中身の見当も付かネェー。

せめて、こんな説明の予告篇や宣伝が有りゃ良かったノにナァ!

『貴方はアニメ映画が、芸術に昇化する瞬間に立ち会う!

巨匠◯◯の集大成にして最高傑作!

妥協ゼロの、純粋◯◯ワールドが炸裂!

本物の感動と絶賛の嵐!見逃すな!

(※尚コノ映画の御観賞には、美術、文学、等の芸術文化に対する、相応の教養知識をお持ち頂いている事が望ましく、お持ち合わせの無い又は乏しいお客様の映画鑑賞後の御満足は、保障致しかねマス。尚、当然ですが、お客様の御事情に拠る映画御鑑賞後の入場料金の返還の御要望には、一切受け付けておりませんノで宜しく御了承下さい。)』

てな事を、宣伝してクレてタラ、カカアの野郎もコノ映画、『アア、お子様映画じゃ無いノネ。』ッテんで見ネェーで済んだローよ。

俺ッチも、カカアの野郎も、無教養の馬鹿で御座んすヨッ。

ケドなぁ、お天道様に顔背ける様な生き方、してネェーんダヨっ!

簡単な話じゃネェーか。

『水は、低きに流れる。』

コレが『自然』の『摂理』ってモンだぜッ!

コイツさえ守ってリャ良いッテもんダローがヨォ!

教養も芸術知識も、一切関係御座んセン。

何オッ?「良く解らない」ダト?

俺ッチ見テェーな馬鹿でも分かる事ッたぜ。

耳の穴、カッポじって良く聞きヤガレってンだッ!

心得の1、『力が足りず、困っている野郎が居たら、力の余ってる野郎が手を貸す。』

当たり前ェーの話だ。爺いや子供が重そうに荷物運んでタラ、代わりに持ってヤリャ良いーンだ。

カッパらうンじゃネェーぞッ!

ケドよぅ、相撲取り見テェなデブがドジ踏んで、崖っぷちカラ落ち掛けテル時、無闇矢鱈に手を貸しチャいけネェー!自分が先に、崖から落ちチマわぁー。

じゃァ、見殺しにスルのかッテ?

何ご託、並べテンダよっ!そこら辺の四五人とっ捕まえて、デブに縄掛けて引っ張り上げリャお終ェーよっ!

心得の2、『金が足りず、困っている野郎が居たら、金の余っている野郎が手を貸す。』

コレも、アタボウの話ダローがヨーッ!

何オッ?アタボウ何か忘れましたダト?

当たり前だ、ベラボーめッてんだヨッ!

貧乏で、腹すかしたガキが居たら、金のチョット余ってる野郎が飯喰わせリャお終ェーよ。

ソンなガキが、喰い物、カッパらっタラ、大人の誰かが、替わりに金を払えばお終ェーよ。

ガキ、とっ捕まえたり、ぶっ叩いたり、絶対すんジャねぇーぞッ!大人の恥でぇーッ!

貧乏で、一家揃って腹すかしてタラ、金が結構余ってる野郎が皆に飯喰わせリャお終ェーよ。

ケドよぅ、金の余って無ェー野郎が、他人様の飯、喰わせチマウと、今度は手前ェーの飯が喰え無く成っチマウから御用心だぜ!

心得の3、『知識が足りず、困っている野郎が居たら、知識の余ってる野郎が手を貸す。』

コレもアタボウだぜ!

読み書きの出来無ェー野郎が、説明書き見てサッパリ解らず、困ってタラ、読み書き出来る野郎が、チョィと御免ッてんで、説明書き読み上げてヤリャーお終ェーよ。

「以上の説明で、何かお解り頂け無かった点、何かご質問が御座いマスか?」ッてな事オマケすれば満点ダローがヨ。

ケドよぅ、『コノ心得の3』っチャー、ボロくそダよナァ。

知識の足り無ェー野郎ってノは、言い換えリャー、頭の悪い奴って事で、

知識の余ってる野郎ってノは、言い換えリャー、頭の良い奴って事ダローがヨ。

心得の1で、力の足り無ェー野郎の事、馬鹿にスル奴ァ、居ネェー。

心得の2で、金の足り無ェー野郎の事、馬鹿にスル奴ァ、ホトンド居ネェー。

ケドよぅ、

心得の3で、頭の悪い野郎の事、馬鹿にスル奴ァ、ウヨウヨ居ラァな!

『オヤ、マア、何たって、頭の悪い野郎の事を、馬鹿と呼ぶンで、馬鹿を馬鹿にスルのは当たり前。馬鹿を馬鹿にシナければ、アチキは、一体、誰を馬鹿にスレば良いノで御座ンス?ホホホホホ。』

てな、屁理屈をコネ出すロクでナシもウヨウヨ居ヤガル。

つまりダなぁ、コノ、心得の3は、心得の中で、一番、泥に塗(まみ)れテって事ッたぜ。

俺ッチは、映画のレビューなんて御縁が無ェーし、サッパリ分かんネェーけどヨゥ、

ブログの旦那ん所で、コノ映画のレビューってノ見せて貰ったケドよぅ、驚いチマッたぜ。

チンぷんカンぷんの☆と、感動感激雨霰の☆☆☆☆☆とが半々で、両極端デェー!

ソンでヨーッ、☆☆☆☆☆の野郎が☆の野郎を結構、馬鹿にしてヤガル。

コレは駄目デェー!絶対にッ!

知識の足り無ェー野郎が、頭が悪い、つまり馬鹿だッテなら、馬鹿は治るッテ事ッテぇー!

ソーだろーヨ!?

エッ?何故かッテ?

『馬鹿は死なナキャ治ら無い』、『馬鹿に付ける薬は無い』ハズだッテ?

何、聞いてヤガッたンだヨッ!

『馬鹿』に付ける『特効薬』が有るダローがヨッ!

『知識』コソが、『特効薬』じゃネェーか!

『血』が足り無くて死にカケてる人に『輸血』すリャ生き返るダローがヨッ!

『知識』が足り無くて馬鹿にサレて、世の中で死にカケてる人に、『知識』を『輸血』してヤリャ生き返るダローがヨッ!

コノ映画のレビューだってソーだろーヨッ!

☆☆☆☆☆の『知識』豊かな方々は、☆の『知識』乏しくコノ映画の豊かな果実を全く賞味出来ネェー野郎達に知識を分け与えて、コンナに美味しかったンだッテ解らしてヤンナきゃイケネェーッ!

ソレが出来なきゃ、ご自慢の『知識』とヤラは、本物たぁ大違いデェーッ!

御本人は、金襴緞子(きんらんドンス)の十二単衣(ひとえ)で着飾ッてるツモリだろーガ、ソーじゃネェ。

本当の所は、腐った生ゴミのタレ汁を拭き廻った蛆(ウジ)が湧いたボロ雑巾の十二単衣を着て、鼻が捩れる腐臭を辺りに放ちナガラ、歩く毎に、大量の蛆(ウジ)をボタボタと落としてヤガルのと変わりネェーや!

知識なんて物はナァ、金と一緒で、使い方次第で簡単に腐っチマわぁ。

オッと、大部、話が逸れチマッたゼ。

兎に角、爺いノ造った世界が、如何に出鱈目かッテ話だ。

コウ成りゃ、洗い浚(ザラ)いブチまけるシカねぇーナッ!

先ずは、爺いノ暮らす世界ダゼ。

コレがヒデェーもんダッ!

手前ェーの暮らす場所は、花が咲き乱れ、果実は成り放題、喰い物に困るハズも無ェー!

ところが、一転、手前ェーの造った世界じゃ、満足に喰い物が無く、ペリカン族はワラワラ族を、やむを得ず喰ってる有様だ。

ところが、爺いの親族は特別で、チーズだジャムだッテ贅沢し放題してヤガル。

傑作なのは、ワラワラ族が、上の世界で『人』に生まれ変わる『基』で、どうやら『食事』が必要らしいト来やがる!

爺ぃが、異世界どう造ろうト勝手だケレド、現実世界と『適当』に『リンク』させチャ、イケネェーや。

ドコが『適当』か?ダッて?

何、言ってヤガんデェーっ!アンタも俺ッチも、生まれる前、ワラワラだったッテ訳かい?

与太の野郎なんざ、アレで結構、ウブな所が有っカラ、

『親方、アタイ、生まれる前はワラワラだったンですカイ?チットも知りヤセンでした。』

てな具合で、信じ込んジマウぜ。

冗談キツ過ぎて、首括っチマわぁ。

デもって、ワラワラの食事はタバコ吸みの婆ァの若い野郎が『世話』する事に成ってヤガル。

死んヂマッた後の『魂』を『敬う』気が有るンだったラ、

生まれチマウ前の『魂』を『敬う』気は無ェーのかヨッ!

ワラワラの扱いは、ドウ見ても上から目線のペット扱いで、食事じゃネェ、餌やりデェーッ!

『敬う』気なんざサラサラ無ェーって事ッた。

ソレよかヨー、タバコ吸みの婆ァの若い野郎、ワラワラ達の食事、チャンと用意出来るンか?

絶対、無理に決まってラァーッ!

何故かッテ?

アタボウでぇ!俺ッチ、大工は算術勘定ぐれェは出来るンデェーっ。

コノ時分、日本だけデ、毎日、2000人の赤ちゃんが産まれテル勘定に成ラァ。

ッテ事は、日本だけデ、毎日、2000体のワラワラが必要だって勘定に成ラァ。

ソンデ、ワラワラが上の世界に旅立つノが10日ゴトとすリャ、10倍たまって2万体のワラワラ用の食事が必要って事ッた。

コノ時分、世界の人口は日本の15倍くれぇダカラ、世界で考えリャ、毎日3万人の赤ちゃんが産まれテル勘定に成り、毎日30万体のワラワラの—-ってウンザリすらぁ!

若返りの婆ァ独りで、ドウ捌(さば)くンでぇ!

コノ若返りの婆ァ、ワラワラの食事用に、イルカよりデカイ魚の怪物ミテェなの大包丁で捌いてヤガッたケド、はらわたブツ切りにシテ、ただバラ撒いテルんジャねぇダローなッ?

チョットでもワラワラへの『敬意』が有りゃ、食卓と皿ぐれェは用意してアタボウでぇ!

ソレを毎回、2万席、事に寄りゃぁ30万席、用意せにゃ成らネェー!

土台、無理って事っテェーッ!

若返りの婆ァ、ヒヨコに餌やるミテェに食事の『世話』してヤガんダローよ。

『敬意』もヘチマも有りゃシネェやッ!

『敬意』っチャー、火の魔女はモットひでぇーヤっ!

コノ野郎、テメエが焼き殺したワラワラやペリカン達の為に、掌を合わせた事、一度でも有るンかッ?

戦争だって、アンナに殺しマクレば、頭オカシク成る奴はゴロゴロ居らぁ。

アッ、街に爆弾投下しても、木っ端微塵でバラバラに成った子供の死体が見え無ェーのと同じで、痛くも痒いくも無ェーって訳かッ!

成る程ネェ、恐れ入谷の鬼子母神ッたぁコノ事でぇッ!

コノ野郎、正真正銘の『魔女』野郎だナッ!

でも、ヤッパ、爺ィにゃ適わネェーや。

爺ィ、万巻の書物、読破してテモ、根性が腐ってヤガンでぇー!

何が、「コノ世界、あと1日は持つ。」だっ!

手前ェも、コノ世界が出来損ないでブッ壊れカケテルって知ってンじゃネェーかッ!

何を悠長に、テーブル前にして椅子にブッ座り込んデンだヨッ!

俺ッチだったら、ドウしたら壊れカケテル所を直せるか、一番、頭の切れる方に知恵貸して貰って、他の親方衆と一緒に、毎日、若い衆、全員引き連れて、徹夜続きダローが構うコッタねぇ、夢中で直しマクッてラァ。

ソレを、爺ィの野郎はドウだ!

何一つシネェ所か、インコ大王だが何だかノ為すがママにサセて置いて、異世界丸ごとブッ壊れるノを黙って視てヤガル。

じゃァ、『皆殺し覚悟』か、って思うとソーじゃネェーんだヨッ!

喰い物と一緒で、身内だけを助けるンでぇーッ!

信じられるカイ?身内だけダゼっ!

何おッ、「ペリカン達もインコ達も助かりマシタ。」だとっ!

じゃ聞くがナッ、ワラワラ達は助かったンかい?

火の魔女の家、造った俺ッチ大工仲間や家具職人、建具師、石屋、ガラス屋、陶器職人、商人、運送屋、等々、画面の陰に確実に実在する人々は助かったンかい?

コイツ等、全員、住んでる街ごと皆殺しダゼっ!

ソレだけジャねぇーゾッ!

火の魔女の家の菜園を実らせた、蝶や蜂、蟻、そして、土壌を陰で耕すミミズ達、菌類、全て、皆殺しダゼっ!

そして林、森の樹々、ソコに生きる獣はじめ動植物の全て、皆殺しダゼっ!

更に、山に、川に、海に暮らす生き物の全て、皆殺しダゼっ!

前代未聞の大殺戮じゃネェーかッ!

爺ィの野郎、意気地クタバリの眞人が跡目を継がネェーって御託並べた時に『炎で焼かれる世界に戻るのか?』ッテな事を言ってヤガったが(こん時の眞人の野郎、本当に頭来るヨナっ!何がコレは僕の悪意ですだッ!手前ェーの恥ずべき事を威張ッてる奴は、連続幼児殺しのシリアルキラーが『幼児殺しは、私の崇高なる芸術表現だ。何人も私の表現の自由を侵す事は出来無い!』ってホザいてるノと一緒じゃネェーか!お前ェーの心なんざ真っ黒デェーっ!)コリャ、核戦争の事を言ってンじゃネェーだろーナッ!

もし、ソーなら、お笑いダゼっ!

核ミサイルの標的は、大都市と軍事基地だよな。

つまりョー、核爆発で死んだり滅ぶのは都市や人間だ。

森林、平原、山々、河川、湖沼、海洋、そしてソコに生きる動植物、生物は、確実に生き残るッ!

人間に追い遣られ、絶滅に瀕していた獣の中には、人が焼き尽くされる様を見て、祈りを唱えた『神』に涙を流して感謝するダローよ。

ところが、比べてドーだッ、爺ィの実行した事は!

生きとし生ける物、全て、世界、丸ごと平然と殺しヤガった!

ナチス所か、『神』でさえ行わない、大殺戮デェーっ!

何処で知りヤガったか知らネェーが、核爆発を危惧してる野郎が、核爆発なんざ話にも成らネェー大殺戮を実行して、どうするンでぇッ!

但し、チャッカリ身内だけは助けてヤガル。

虐殺爺ィも爺ィだが、チャッカリ助かった身内も身内だ。

先ず、若返りの婆ァだ。手前ェーが世話してヤガったワラワラは置きざりかヨッ!

ソレで、良く平気の平左で居られンなぁ!

次に火の魔女野郎だ。「素敵じゃないか。眞人を産むなんて!」上等だヨッ!

素敵じゃネェーか。他者が飢える最中、贅沢し放題、食べ物喰い放題。話し合いも眼中に無く、結果的に救う為と称して、ワラワラごとペリカン達を虐殺し、心に陰1つ残さない黒魔女が、生み落とした眞人は見た目とは裏腹な、心に堂々たる悪意を潜めた、意気地クタバリじゃネェーかッ!

続いて、後妻の野郎だ。

手前ェーが産屋だか何だかに、入り込んだか連れ込まれたンだか知らネェーが、廻りは大迷惑だっ!出る気も逃げる気も無ェー。ソレが、異世界がブッ壊れると、いつの間にか脱出口にお出ましデェー。で、元の世界に戻ると、遅れて逃げて来た人喰いインコ達が普通の小鳥のインコ達に姿を変えると言いヤガった。「マァ、可愛い!」

お気楽の極みダゼっ!

アーッ!後妻ってば、火の魔女の妹だったヨナっ!同じお姫様だ。上等だヨッ!

最後は、眞人の野郎だ。

コノ野郎、意気地クタバリのロクでナシが、異世界で少しは変わるンかと思ったケンド、同じジャねぇーか!

ヤッパシ、手前ェーか、手前ェーの身内の事しか考えてネェーや。

異世界がブッ壊れる時、少しでもペリカン達が哀れと思ったら、何とかして助けヨウと考えるンじゃネェーのか?

何1つ考えネェー、何1つシネェーっ!

火の魔女の家で過ごした身で、その家を造った人達がコノ異世界の何処かに大勢暮らしており、異世界がブッ壊れれば、確実に死ぬ。出逢いはシ無かったケド、他にも多種多様の人々が無数に居るハズで、全て死ぬ運命ってノに、手前ェー達だけ助かって、顔が青ざめる事も無ェーのかヨッ!

全く、平気の平左だッ!

実に見事な『生き方』ダゼっ!

ソンで、『君たちは、どう生きるか?』だとっ!

上等だヨッ!へへへのへッてンだッ!

まだまだ有るンでぇッ!コノ野郎っ! 」

「オーや、マぁ、大層、威勢が良ゥ御座んすネェーっ!」

「ソウよ、大層、威勢が良いッテ—-、エッ?その声は?」

「アーれ、マぁ、アチキの声を、お忘れカイ?」

続くーっ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です