「君の名は。」と「天才バカボンのパパ」part2 改
はじめまして、アタイ、大工の与太郎ってイイヤス。
やっとアタイ、ブログに出たーット思ったら、文字飛びまくりの穴ダラケ、全部ブログの旦那の責任ナンすが、「頼む!与太!代わりに謝っトイテくれ。後生ダーっ!」ッテ言われて、アタイが誤りジャネー、謝りに来ヤシタ。旦那、冷や汗ブン流して、ヤットコサ直したッテ事ですカラ、ドーか勘弁して下さいヤシ。(だけどネ、「旦那っ!大変ダッ!アタイの出てるpart2のブログ、イノシシに荒らされた畑ミテェーに成ってヤスゼ!」ってアタイが言った時の、旦那の顔ったらナイヤネ。あんまり気の毒ナンで、アタイが謝る事に成りヤシタ。詳しい事は、別の「お話」とイタシヤス。
摩訶不思議な緊張感に、支配されようとするお白州。
ソコに、突如響く、何ともシマリの無い一声。
「おっ…..おぶぎょうさま……….。おぶぎょうさまー…………!!」
(奉行) 「ンッ?誰ジャ、拙者を呼ぶのは?ソレも、ひらがなデっ!!
エーッ?エート、どなたデスカ?」
(謎の男)「アッ、アイ。」
(側役人)「(オッ!奉行の瞳から怒りの色が消えた!何という慈しみの「アイ」ジャー!!助かったー!!) エー、お奉行様に申し上げます。かの者は、この次に大岡様のお裁きとなる、「大工調べ」の訴え人、OO町に住まいます、大工の「与太朗」めにゴザイマス。」
(奉行)「何?大岡君の「大工調べ」の訴え人?アッ!知ってる知ってる。与太君ネ!デ、付き添い人の棟梁の政五郎は、来てるの?エッ?出番は次だからマダ?ソーダネ。とにかく、与太君はソンナに遠くに居ないで、コッチに来なさい!滝クーンの隣、空いてるデショ。デ、与太君は、何か言いたい事、アルノ?何でもドーゾ。」
(与太郎)「アー、アイッ。アタイも、この映画 ( 君の名は ) 見て来た。アタイがタメちまった家賃のカタで、大家さんに、大工の道具箱、取られて、仕事出来なくて、ブラブラしてたら、親方が木戸銭くれて、お前もキライじゃ無いんダローから、映画でも見といでって言われて、この映画見て来て、とってもオカシかった。 ( 横の滝君を見つめて ) この兄チャン、映画に出テタ。」
(奉行) 「コレコレ、与太君の言いたい事は、何ジャ?センテンスが 長い。細かく切って、手短に申してミヨ!」
(与太朗)「アーッ、アイ。お奉行様の言い分は、2つの点でオカシイや!」
(奉行) 「2つ、面白いか?」
(与太朗)「ソーじゃネェーや!筋ツマが合ってネェー。コレでお裁きなら、チャンチャラ可笑しいや!相撲だったらモノ言い、消費者だったら、クレーム、大統領だったら、弾劾…….。」
(奉行) 「コレコレ、判った、判った。デ、2つの点とは、何ジャ?」
(与太朗)「1つ目は、滝の兄チャンの事。
お奉行様は、滝兄(タキニイ)が、三葉チャンの事、覚えてないって、ヒツッコク文句言ってるケド、トンデモネェーおかど違い ダ!滝兄は、アニメのキャラなんだから、実写の映画みテェーな自由なんて、ネェーんだョ。
滝兄が、「コレ、変?」って思っても、監督に一言も、文句言えネェーや。こうした、台本上の矛盾の責任は、一義的には、原作者、脚本家、あるいは監督、又はその全ての者に帰すべきであり、違反した場合は、1000万円以下の罰金、あるいは10年以下の懲役、又は、その両方が課せられ……」
(側役人)「コレ!与太朗!ここは映画館ではナイッ!シャンとせい!」
(与太朗)「アッ、アイ。ソンでも、お奉行様のやり口は、滝兄イジメに違いネェーから、これ以上、滝兄をイジメると、教育委員会に訴えて、出る所に出るゾッ!って、もう、出てマシタカ。」
(側役人)「コレ!与太!、イー加減にセンカ!!」
(奉行) 「マァ良い良い。ノー、与太。オヌシの申す事、一理、有る。奉行の負けジャ。
しかしノー、3年前に、滝クーンに逢いに来て、自らの髪を留め結んでいた赤い組み紐を投げ渡し、名前もハッキリ名乗った、本件三葉の事を、滝クーンが、顔も名前も全て、スッキリサッパリ忘れてイルという、この1点、オカシイ事は間違いナカローが!!「天才バカボンのパパ」ではナイカ!ドウジャナ?」
(与太朗)「ソコ、ソコ、お奉行様がオカシイ2つ目は、ソコ!。 お奉行様は、「 (心に深く刻み付いているので、) 忘れようとしても、決して思い出せない。」のは「天才バカボンのパパ」に限るッて、「サンマは目黒に限る」ミテェーな事、言ってるケド、サンマはアッチコチで売ってラァ!。「天才バカボンのパパ」に 限っちゃイケネェーや!。
心に刻みが入る時、涙や血が、あふれ出る事だってアラァ。
そんな時ニャ、外から心にフタをかぶせチマウしかネェ……。
そうスリャ、想い出さずにスム……….。
忘れたんジャネェーや…….。
想い出せなくナルンだよ……….
外面は、「バカボンのパパ」と同じダョ…….。
忘れようとしても、決して想い出せない……….。
だけど、まだ、コッチ側に居るから、マシなんだョ…….。
もっとヒデェー目に逢えば、内側から心にフタをするしか
ネェーや……。
ハタから見りゃ、気フレだローョ……….。
もう、帰っちゃ来ネェーサ……….
アタイなんざ、ガキの頃から、何もしてネェーのに、石コロみテェーに、人に踏まれたり、蹴られたりして、大きくなったから、(ドッカで、聞いたヨーナ?歌かな? )チョットやソットじゃ、アタボー、ヘッチャラだい。
それでも母ちゃんと親方は、アタイの事を、一丁前に、扱ってくれたヨ。
ダケドネ、お奉行様、世の中にゃー、何ベンも何ベンも廻りをグルッと見渡しても、広い世間で、タダの一人の味方スラ見つからネェー、それでいて、天や神を呪ってもシャーネェーような、アタイなんざ目じゃネェー位、ヒデェー目にアッテる人は大勢いると、アタイは思うヨ。
そんな、身も心も裂けチマウ、つらい思いをした人、の中に
「忘れようとしても、決して思い出せない」人が居ても、オカシクはネェーと、アタイは思うのですヨ。
「忘れようとしても、決して思い出せないノダ。コレで良いノダっ!」で、良いノデスョ。世の中、広いんデェー!
「バカボンのパパ」ってキャラは、アタイと致しましては、大変、親近感が湧いて来ルのでは、ゴザイマスが、ソレはソレ、コレはコレですョ。ウン。
だから、アタイが、この映画の作者なら、滝兄と三葉チャンとの間に、そうした「 事件 」をコサエンだけど、ソーは、なってネェーや。
この映画だと、滝兄が三葉チャンの事、忘れチマウのは、タソガレ時、逢魔が時のセイだとナッテラー。
夕暮れ時、滝兄( 身体は三葉チャン )が、御神体の祠のある、外輪山の周りを、めぐり歩いているヨ。
三葉チャン( 身体は滝兄 )も、同じ所を歩いてル。
だけど、3年間の時間のズレがある…….。
タソガレ時が迫って来る。
すると、相手の気配を感じていたダケだったのが、
相手の声が聞こえるようにナル。
そして、トウトウ、相手の姿が見え、触れる事が出来る迄にナッチマウ!!
だけど、タソガレ時ってのは、逢魔が時って云う、オッカネェー別の名前があるミテェーに、ただジャー帰れネェー。
目ん玉、飛び出る勘定書が、廻ってくらぁ。
この映画だと、滝兄と三葉チャンの互いの記憶、想い出が、全て消されチマウ…….。
サァーッ、コッからダヨ、お奉行様!
アタイは、コンナ風に思ったんダヨ
タソガレ時になると、夕焼けの空ニャー、目に見えネェ位、ほとんど透き通った大きな寺の鐘(教会の鐘でもイイカ……)が現れるんダヨ。
そして、その鐘が鳴り響くと…….ただしソイツは、姿形が透明であるミテェーに音もしネェーんだ…….。(……電波の鐘カナ……?)
とにかく、その鐘が鳴り終わる時、滝兄と三葉チャンから、互いの想い出の全てが、一片も残らず、泡ミテェーに消えて行く……….。
ココでダヨ、お奉行様!肝心なのは!
「想い出消しの鐘」の音が、滝兄と三葉チャンに響く時、
忘れちゃナラネェーのが、「もう一人の滝兄」の事ダヨ!
100里(ジャネェーや、キロか?)以上も離れた、江戸ジャネェ、東京はOO町で、試験勉強かナンカで、机にカジリついてる、中坊の滝兄を、忘れチャ駄目デェーッ!
「想い出消しの鐘」は、中坊の滝兄の心にも、確実に響いているに違いネェーや。
だって、鐘の音が響くのは、「場所」ジャなくて「人」だからデェー!
するテェーと、こうナルよ。お奉行様が、さっきヤッテタ再現フィルムみテェーに、アタイもヤッテ見るヨ。出来るカナ?
場面 伊 (イロハ、のイ)
滝兄が、勉強机にカジリ付いてる。問題集と首ッピキだよ。
難問ダネ。頭かかえテラァ。何ナニ? 「ノコギリの刃を研ぐことを、目立て(めたて)と言いますが、次の説明の内、正しいものは、ドレですか?」 オッ、アタイ判りマスヨ。
居間の方からは,TVの声がしてる。
「OO彗星は、いよいよ今晩O時に、地球に最接近し……….」
滝兄の父ちゃんが、夕餉の支度してるョ。コンロで何か作りら、滝兄に声を掛ける。
「滝っ!余り根詰めんナヨ!少しは休め。」
滝兄は、生返事。走らせる筆を止めネェーや。
「アーッ…….。」 やっと伸びをシタョ。
フト脇に目を落とす。
その左手首には、前の日に、三葉チャンから渡された、紅い組が、グルグルと結ばれてイルョ……。
筆が止まった………。
「アノ娘は誰ナンダロウ?名前……ミツハ、だったヨナ…….。どんな字なのカナ?
一息つくか…….。」
滝兄は立ち上がると、居間の向こうに夕焼け空が覗いているベランダに向かうョ。
父ちゃんの声が後ろから追っかけて来る。「OO彗星、もう見えるカナ?」
ベランダに出てる滝兄が、空を見上げる。
彗星はまだ見えなかったケド、美しい夕焼けが広がっていた。
きっと綺麗な星空…….。彗星、ドンナかな……?」
滝兄は、文字通り深く一息ついて、部屋に戻ろうとする。
と、何か、クラッとする。
「(めまい?イヤ違う…….?)」無意識に、片手をコメカミに当てるョ。
その手首には、昨日三葉チャンから渡された、紅い組み紐。
滝兄の父ちゃんが、炊事の手の水を切りながら、近づいてくるョ。
「オウ、滝、勉強疲れデスカイ?そうそう、お前が昨日言ってた、紅いリボンジャネェー「紅い組み紐の少女」、思い出せたカイ? オヤ?何だい、もう腕に巻いてるジャン。」
滝兄には、もう全く、訳が判らない。
自分の左手首の紅い紐は、一体、何ダ!?
ダッテ、たった今し方、「想い出消しの鐘」が鳴っチマッタんだから、ドーショーもネェーや。
滝兄の中で、三葉チャンとの一部始終は、もう封じ込められチマッタ。
(以下、掛け合いにするョ。)
(滝兄) 「コレ、父さんが、くれたの?」
(父) 「何言ってヤガンダ、気色ワリィー。ドコの父親が息子に、ソンなのプレゼントでゴザイするカヨ。で、下級生か?アッ、制服、違ってタンダッケな。ドコの女子中?ソウソウ、お前、その娘の名前、言ってたぞ。何だっけな、ホラッ……!」
(滝兄) 「……….ワカンナイ……….!」
(父) 「オヤオヤ、我が息子殿は、罪つくりダネェー。その娘は、カワイソーだネェー。たったの1日で、名前も忘れられチマウんだから!この薄情者メガッ!」
……コンロの鍋が、グツグツ始める……
(父) 「オッ!、鍋、鍋、フクフク!。」
父ちゃんは、炊事の仕上げに戻るョ。
滝兄は自分の部屋に戻る。そして、机の上に乗せた左手首を、ジッと見つめた。
紅い組み紐が結ばれてイルョ。
滝兄は、何も想い出せない……….。
…………昨日の、学校帰りの電車内……….。
滝兄が、一方向を、見つめている。
足音が近づいて来る。と、……電車内の人や景色が、霞んでゆく……。
真っ白い空間に、ポツリと、独り残された、滝兄。
足音が止む。
姿は無い。
有るのは、……人の「気配」だけ…….。
音の無い世界で、滝兄は、名前を呼ばれた…….。
いや、滝兄の心に、直接に響いて来る、無音の声……….。
「…………..(滝)………..(君)………..。(滝)………………。」
「 誰っ ?!! 」
気配が、遠ざかってゆく…….。
「……….(私)……..(の)……….(名前)………..(は)……..(……)………..。」
「君は?!!!」
と、突然、真っ白い空間に、宙を舞って現れる、紅い組み紐。
時間の流れが、スローモーションの様に、遅くなってゆく。
ゆっくりと、滝兄の眼前まで迫って来る、紅い組み紐……….
ハッとして、滝兄は我に帰るョ。
いつも通りの、勉強机。
左手首には、覚えの無い、紅い組み紐。
瞬間、よみがえる、空白の景色。
かすかに残る、人の「 気配 」……….。
しかし……….。
想い出せない…………!! 何も……….!!!
滝兄が、つぶやく。
「……….君は……….、」
「……….誰だ………?!!!」
一巻の終わりデスョ。再現って、結構、大変ダネ。
アーッア、アタイもクタビレましたョ。
デネ、こうした訳だから、「想い出消しの鐘」のせいで、中坊の 滝兄は、三葉チャンの顔も名前も、何もかも、忘れチマウんだョ。たったの1日で。だから、3年たって、高2の滝兄が、三葉チャンと入れ替わって、その顔を鏡で見ヨーガ、「ミツハ」の名前を呼ばれヨーガ滝兄に判るワケがネェーや!。
イヤさ、奉行ォーッ! 思い知ったカァー!!。
(側役人)「イヨッ!O代目ッ!じゃナクッテ、コレ!与太郎!調子に乗るナ!シャンとせい!。」
(奉行)「ヨイヨイ。イヤァー与太君、よう気付いたノォー。このままだと又、奉行の負けジャ。
しかしノォー、与太君ョ。滝くーんは、忘れたハズの本件三葉を、クリアーに想い出しているシーンが有るではナイカ!ホレッ、奇跡の最後の入れ替わりの後、妹の四葉の「姉ちゃん、 昨日は突然、東京に行っチャウし…..」とかをキッカケに、思い出しチャッタでショー。本件三葉が、東京にいる中坊の滝くーんに、会いに来た事を。アニメみたいに鮮明に!
オカシイでしょー?
「想い出消しの鐘」の封印は解かれチマッタ、とでも言うのカイ?」
(与太郎) 「アッ、アイ。解かれチマッタ、とでも言うのデスョ。
封印を解く「 鍵 」は、2つ。
だけど、封印されテル中身は、魔物でも、オッカネェー化物でもネェーや。滝兄と三葉チャンの「 想い出 」ダヨネ。万一、中身がモレても、傷つく人はイネェーョ。だから、「鍵」が、そんなに厳重デモ難しいのデモ、アルワケがネェーや。
それでは、「 鍵 」の答えデスョ。早いデショ。お奉行様と同じ。
「 1 の 鍵 」は、「 時 」。
鐘の鳴った、タソガレ時、又は、その近所。( ん?チとオカシイ?)
「 2 の 鍵 」は、「 場所 」。
鐘の鳴った、カルデラ、又は、その近所。( コリャ、合ってラァー。)
ドンピシャなら、「 時 」100点、「 場所 」100点で、1等賞。封印が解けて、扉が開いて、くす玉が割れラァー( 割れマセンカ )。
だけど、近づくダケで、封印は、弛むんダヨ。
滝兄が、三葉チャンの事、想い出しチャッタこの場合、
「 時 」は、夕暮れ近くで80点。「 場所 」は、カルデラの麓の近くで80点。
コレダケで、封印は弛むんダケド、解けるには、最初に「キッカケ」が必要デスョ。火打ち石の、「カチッ!!」で、火が付くようなモンデェ。(コレって、第3の鍵なのカナ?実は、一番重要だったりして。デヘヘ。 )
ソンデネ、この場合の「キッカケ」は、お奉行様の言う通り、妹の四葉チャンの言葉、「姉ちゃん昨日、東京に行った。」ダヨ。「カチッ!!」ダネ。
コレを聞いて、滝兄の封印は弛み始めるョ。
三葉チャンが、3年前に、自分に逢いに来た事を、想い出し始めルンダ。
滝兄は、チャリでカルデラに向かうよ。陽は傾き、タソガレ時が迫って来る。ドンドン100点に迫ってクル。封印は、ミルミル弛 ンで、トウトウ解けチマウ。
もしも、「鐘の封印の守り神」ミテェーのが居て、99点デモ駄 目、両方100点デナキャ駄目ダ!なんてヌカシやがったら、アタイもダケド、親方が、黙っちゃイネーゼ!!
親方、オッカネェーぞ!!
アタイは、家賃を1両と800 ( ェーと、今のお金ジャ10万と2000円ぐらいカナ?)ためチマッテ、大家さんに、大工の道具箱、カタに取られて、仕事出来なくて、ブラブラしてたら、親方が来て、「コレで払ってこい!」ッテ、財布を渡されたケド中身が1両シカなくて、大家さんチで、1両( 10万円 )払って、道具箱、返せって言ったら、大家さんが、800 ( 2000円 ) 足りネェー」ッテ言って、道具箱、離さないから、アタイが、「 800 は、アタボーだ!」ッテ言ったら、大家さんが怒って、 親方が、謝りに行って、「 800 は、すぐ、持って来ヤスから、与太郎の道具箱、後生だから先に返しチャくれヤセンカ。」ッテ、頭下げて頼んだら、大家さんが、「イヤなコッタ」ッテ断ったから、今度は、親方が切れて、「ヤイ大家!テメェーなんざに、金輪際、頼み事はシネェーヤ!道具箱は、出る所に出て、キッチリ10倍返しで返して貰うカラ、首洗って、覚悟シトキヤガレーッ!! オイ、与太っ!! 喧嘩ダッ!!コレカラ、奉行所駆け込んで、大岡様に訴えるゾーッ!!早くツイテ来ヤガレーッ!!」ッテ、スゴいケンマクで、顔、真っ赤にして、言ったんデスョ。
オッカナカッタネェー。
( コン時に、親方が切った「啖呵」は、語り草デスョ。スゴカッタネェー。
落語の「大工調べ」の元ネタに成ってヤンスョ。古今亭志ん朝師匠のが、アタイのお気に入りデヤス。親方、本当に、本物みたいにスゴイもの。)
そして、アタイが、ここ、お白州に居るのでアリマスョ。
アーア、センテンスがとっても長くて、アタイは、又又、クタビレタ。
親方、切れると、スゲェーから、「想い出消しの鐘」ナンザ、どデカい、ゲンノゥ持って来て、あたり構わずタタキマクッテ、ぶち壊しチマウでしょうョ、キット。ザマァー見やがれッテンダ、オトトイ来ヤガレーッ!!
ェート? アタイの話は、何でしたっけ?
アッ、ソウソウ、滝兄が、封印されてた三葉チャンの事、想い出しチマッタ話ダ!!
四葉チャンの話がキッカケで、封印はホドケたんだけど、鍵は開いても、扉は開いてネェー。
戻って来た想い出は、まだクリアーじゃネェー。だから最初は、「アッ、……三葉は オレに逢いに来たんだ。3年前の俺に……。」位だったんダヨ。
それが自転車コイで、山ン中入って、木漏れ陽が紅く染まっテク。
影もドンドン長くなって、タソガレ時が迫って来る。
カルデラは、もうチョットだョ。
スルト、鍵の解かれた扉が、大きく開いて来るョ。
もう「クリアーな映像とサウンドを、存分にお楽しみ下さい。」 のレベルだネ。
学校帰りの電車の中……….。
近づいて来る三葉チャンの顔が、ハッキリ見える。
声も聞こえる。
「滝……….君………。滝……..君…………。私の事……….覚えて……ナイ……….?……….。」
覚えてイルヨ!!、今度は!!
ここで、滝兄は、想い出したダケじゃなくて、三葉チャンの気持ちの全てが、解ったンダと思うョ。
そりゃあ、そうサ。
相手の身体で、ご飯食べて、トイレ行って……
コレって、同じ穴のムジナ、じゃネェーや,「同じ釜の飯を食べチャッタ仲」ッテのが、保育園ミテェにナッチマウほど、超高度な、「人付き合い」ですヨネ。
コリャ、二人ダケで宇宙船に乗って、太陽系、3ベン回ってワン、じゃネェーや,外宇宙で波乱万丈の末に帰還、満身創痍の宇宙船での大気圏再突入を、全人類が固唾を呑んで見守るッテー
…………話が遥か彼方にソレヤシタ。スイヤセン。
デモネ、身体の入れ替わりって、こうだヨネ。
滝兄の身体から、魂が抜ける。と、滝兄の身体はココで、チョイと死ぬヨ。
ケド、抜けた魂は、同じくチョイと死んでる三葉チャンの身体の中で、生き返る。
ソンデ、滝兄は、三葉チャンとして、生まれ替わるワケだよね。
三葉チャンも同じ。鏡のコッチとアッチ。
こうして、滝兄と三葉チャンは、「死んで、生き返って、生まれ替わる」又、「死んで、生き返って、生まれ替わる」を、何度も繰り返しチマッてるワケだよね。
コレってサァー、「生命」のナイショの根っコの所を、二人とも幾度も通って来たんジャネェーのカナ?
何見て来たんダロゥネェー。
滝兄が右からッテート、三葉チャンは左から、同時に互いにすれ違って入れ替わる。
デネ、アタイは、滝兄と三葉チャンが、双子ミテェーに成っチマッタと、思いヤシタ。(エッ?何デスカイ?後天的一卵性双生児?本当デスカイ?そんなの有るんデスカイ?エッ?比喩?ムツカシイネェー。)
アノネ、双子って、「共鳴」するデショ。音叉ミテェーに。
( 双子のジャンケンって、アイコばっか……なワケ無いデスカイ。)
滝兄と三葉チャンも、「死んで、生き返って、生まれ替わる」を、繰り返す内に、互いの身体も魂も、音叉ミテェーに共鳴し始めチマッタとアタイは思いヤシタ。
ダカラネ、滝兄は山道を自転車コギながら、三葉チャンが、どんな思いでタッタ独りで、東京まで、自分に逢いに来たか、今ジャ痛い程、解る。
第一、今、滝兄は、三葉チャンの身体なンダゼ。
いじらしくテ、切なくテ、たまんナカッタと、アタイは思うョ。滝兄のホホを、夕陽が更に、紅く熱く染めてユク。
滝兄は泣いていたンダョ。
視界が、涙で霞んでクル。
自転車、コケたのは、そのセイだと、アタイは思ったョ。
エーッ、少々ッテカ、大部長くなりましたが、滝兄の「想い出消しの封印」は、こうして、解けチマッテ、三葉チャンの事、チャンと想い出せたのでアリマスョ。
それでは、お奉行様、コレまでの、アタイの説明で、ご不明、お判りにならなかった点は、ゴザイマスでしょ……」
(側役人)「コレッ!! 与太!! 調子に乗るでナイ!!」
(奉行) 「ヨイヨイ。奉行の負けっぱなしジャノゥ。
デモノゥ、1つヨイか?「想い出消しの封印」を、解く鍵が、「時 ( タソガレ時 ) 」と、「場所」 (カルデラ ) の2つ、としたら 、本件 三葉の場合はドウなのジャ?
三葉はカルデラの麓に住むので、80点。タソガレ時は毎日来るので100点。つまりは、毎日毎日、封印は弛み続け、遂には解けて、滝くーんの事を想い出してシマウのではナイカね。ノー、与太君よ。ドウジャ?」
(与太郎)「アッ、アイ。お奉行様は、他人の話をチャンと聞かなキャ駄目ダイ!第3の鍵 (本当は1番大切かも知れネェーや。) つまり「キッカケ」の事デェーッ!!
満点ジャなくても、封印はドンドン弛むケド、最初に「キッカケ」が無キャ解けはシネェーヤイ!
残念ですが、三葉チャンには、「キッカケ」が無いんデスョ。だからネ、三葉チャンは、滝兄の事、想い出すことは出来ネェ。
タダね!ココでアタイは思ったノデスョ。解けはシネェーけど、お奉行様の言う通り、滝兄に付いての「想い出の封印」は、毎日毎日弛むんダヨ。
スルト、どう成りますカネ?滝兄と入れ替わって暮らし、生きた日々の場所の「想い出」の中身は、封印され、消されてはイル。
ダケド、中身の映らない、輪カクだけは、三葉チャンの心の中で、毎日毎日、浮かび上がり、そして消えてゆく……….。
三葉チャンにとって、忘れチャいけない大事な人が、どこかに、居る。
その「 気配 」だけが、毎日毎日、浮かんでは、消えてゆく…..。
ダカラネ、大人になった三葉チャンが、故郷を離れた理由が、ココに有るンダネ。
三葉チャンは、都会にアコガレて、「東京」に行ったんジャないヨ!
滝兄の身体で暮らしていた、大事な滝兄が居た「場所」の「気配」に、心の底の方で引っ張られて、「その場所」、に行ったンダと、アタイは思ったョ。
ダカラ、大人の三葉チャンは、銀座でも渋谷でもない、「滝兄」で暮らした周辺に居るデショ。
アレは、偶然ジャネェーや。うまく出来テラァー。ソーは、思いまセンカネ、お奉行様!
( エッ?銀座や渋谷は、家賃が高いカラ無理?ソーなんデスカイ。)
但し、コレまで、アタイの話した事は、全て、アタイの仮の説明でアリまして、早い話しが、与太バナシでヤス。決して、エビデンス(※)を、伴ったモノではナイ事を、アラカジメお断りしちゃっトキマスよ。デネェーと、親方にオコラレラァー。
親方、オッカネェーゾーッ。
( ※ココで、チョイト、「エビデンス」の説明デスョ。
この前、親方が、親方のお師匠と、何か話してテ、アタイが脇で聞いてテ、
「親方、今度は、マンションの仕事デスカイ?」ッテ尋ねたら、
「ソレは、OOレジデンスだローガ。ソーじゃネェー。エビデンスだ。」ッテから、
アタイが、「ソレ、何デスカイ?」
親方「マー、平たく言ヤー、動かぬ証拠ミテェーなもんダローョ。」
アタイ「ジャー、横に動いチャウ証拠は、カニデンスですカイ?」ッテ言ったら、
親方に、コッピドク、怒られマシタ。コワかったネー。)
エーッと、何の話しダッケ?
アッ!ソウソウ、お奉行様の4度目、ン?3度目カナ?の間違いの話しダッ!」
(奉行)「4度目ジャヨ!与太郎君よ、貴公は、聞くと見るとジャ大違いのマサに標本ジャ ノー。奉行、負けっぱなしジャ!」
(側役人)「 ( アッ!与太が、「貴公」に、出世した!ウソォッ!お奉行様、ココで白旗か?ハタマタ反撃ナルか……?) 」
(奉行)「しかしノー、与太君ヨ。貴公は、「紅い組み紐」の一件を、どう考えるのジャ?
中坊の滝クーンから、本件三葉の記憶は全て消されていた、とシテも、滝クーンの左手首に、ズーッと巻き付けている「紅い組み紐」は、どうナノジャ?
本件三葉との入れ替わりの際、滝クーンが、本件三葉の「紅い組み紐」に、全く気づかないトハ、「ソレはネェーダローヨ!!」ダローヨ!!
そして、奉行が自ら再現フィルムした、「コレならソーダローヨ!!」がソーダローヨではないのカイ?」
(与太郎)「アッ、アイ。ソレは、「ソーナラネェーのダローヨ」デスョ。
理由は簡単。お奉行様の、「コレならソーダローヨ」には、エビデンスが無いんデスョ。
お奉行様の、「想像」デスョ。アタイみテェーのが、勝手にホザイてる分は、カマーやシネェーが、お奉行様が、「御裁き」スルのに、エビデンスが、無くっチャ、イケネェーヤィ!
アタイだって、お奉行様の言う事は、シゴク、もっともだト思ワァ!
ダケドね、滝兄の目の前に、三葉チャンの髪留めの、「紅い組み紐」が、突き付けラレルような場面は、この映画ニャ、全く見当たらネェーヤ。
ズルイっチャー、ズルイけど、「筋が通らネェー」の一歩手前だと、アタイは思うョ。
そうそう、一葉婆ッチャンの髪留めが、三葉チャンのと同じ蝶結びで、同じような紅い組み紐だったシーンも有ったケドネ、三葉チャンの想い出を消されチマッタ滝兄が、ソレを見逃しても、「ソンナの、気が付きませんデシタ。」ッテ言われりゃ、シャーネェーヤ。
「気付かぬノハ、いかにも不自然!」ジャ、全然ダメデェー!
「気付いてイタ事は、コレコレの証拠で、明々白々。気付かぬノハ、不自然どころかコレコレの理由で、無理デアル!観念セイッ!!」デナキャ、ダメデェー!
ソレをシネェーで、自分の都合のイイように想像して、「コレならソーダローョ。」テナ事を、お奉行様が言ってチャ、イケネェーヤイ!!
コンなコッチャ、無実の罪を着せられチマッタ人で、江戸の町は溢れカエっちゃッテ、バイオハザードみてぇーに成っチマワァー。 (ゾンビ、オッカナイネェ。イャだネェー。)
このゾンビの群れを大量発生させチマッタ元凶が、「このO町奉行所だった!」テナ事に成っタラ、この期に及んで、マスコミ殺到、「大スクープ、ゾンビ第一号は、滝兄だった!独占インタビュー10ページ!」「滝兄、スタジオ緊急生出演!コレが真相だ!」「金さん処分カウントダウン、大目付、本日2時、緊急会見!」テナ具合で、幕府の面目、丸ツブレ。ひいては、 日の本の、お国の面目、丸ツブレ。ツブレて、全ーン部、平らにナッチャッて、「見渡せば、山も凸凹も、なかりケリ……….。」 コリャ、殺風景の極みダネ。エーッと、下の句、何ダッケ? エッ?そんな下の句、有るワケ無い?ソウナンデスカイ。
アレッ?エーッ、……アタイの話し、何でしタッケ?
アッ!ソウダ、お奉行様の五度目、ン?四度目カナ?の間違いに、文句タレてタンだ!」
(奉行)「五度目ジャヨ!。マァ与太郎ョ。よくぞ申した。奉行、ボッコボゴで出る所ナイワ!」
(側役人)「 (本当ッお奉行様、ヤラレッ放し。大方の予想を裏切り、ココでタオルを投げるか?それとも、起死回生のカウンターを喰らわせ大逆転か?) 」
(奉行)「しかしノー。このお白州では、取り上げるツモリは無かったのジャガ、貴公の了見を、是非知りたく、尋ねる事にした。
……….他でも無い、彗星落下の大事件を、滝クーンが、スッキリサッパリ忘れている、一件ジャ。
「想い出消しの鐘」で、本件三葉との記憶が、滝クーンから一切消えた、としてもダナ、彗星落下は、その後に生じた事ではナイカ?まして、街の半分がホボ消失という大惨禍は、人類史上初の大事件ジャ。その調査研究は、世界規模となり、5年、10年で、済むハズはあるマイ。
その報道、情報の、嵐の中で暮らして来たハズの滝クーンが、
「エーッ?アノ時の惨劇の町ダッタンですか?チーッとも覚えて 無かった。」ジャー、
復活の判決主文、「ソレはネェーダローョ。」に、今度こそナルのでは、ネェースカねー。
のう、与太君よ、教えてくれマイカ?
(側役人)「 (オッ!気持ち悪ッ!お奉行様下手に出る一方、苦し紛れに、このお白州では、スルーのハズの事案を持ち出した。キッタネェー。今日は、珍百景のツルベ打ちダ!
で、与太君、貴公はどう出るのジャ? ( アッ、ウツッタ…… )
ンッ?……….ドウした?与太、答えナイノか?……….。 ) 」
与太郎は、珍しく口をつぐんで居る。大の苦手の「思案中」ダッ!
(与太郎)「 (個々の矛盾は、個別に撃破して行けば、勝機は見えるカモ……….!ダケド、この矛盾は、余りに大き過ぎるし、深過ぎる……….。今度バカリは、アタイの頭脳を持ッテしても、ダメかも知れナイ……….。」( って、ドッカで聞いたような、セリフだネ? )
柄にも無く、与太郎が悲観して、犬が尾を下げるように、首をウナダレ、沈んでユク……….。
……….お白州に、暗くドンヨリした空気が漂い始めた……….。
と、その時、全てを吹き払う、澄んだ一声が、お白州に響いた。
「待っターッ!!!」
続くーっ!